ABUロボコン2004
ABUロボコンNews
18 November 2003 Vol.50
第2回中国大会盛況を飾る
 バンコク大会の選考会として5月に開催を予定していたもののSARS騒ぎで延期されていた第二回中国大学ロボコンがついに11月3日、北京のCCTVスタジオで開催された。朝8時半の開演と同時に台湾を含む33チームが凌ぎを削り、熱戦は夜9時半まで繰り広げられた。

 激戦を勝ち残り、今年中国の頂点に立ったのは、北京科学技術大学だ。中国代表としてABUロボコンに出場した中国科学技術大学は健闘したもののベスト8どまりとなり、国内大会のレベルアップが急ピッチで進んでいることを見せつけるかたちとなった。

 翌日、コンテスト参加者にソウル大会のルールが発表され、盛況を飾った国内大会は幕を閉じた。この様子は、12月中〜下旬にCCTVのチャンネルで放送される。

 12月下旬には新たな子供・青年向け教育番組チャンネルを立ち上げるCCTV。2005年大会北京開催に向けて、着実に手ごたえを感じ始めているようだ。

 宇宙をテーマにした会場のセットは、10月に成功を遂げた中国初の有人飛行を彷彿させた。
’ロボコン効果’がもたらすもの







東京工業大学教授・ABUロボコン競技委員会
清水優史先生
 私がロボコンに関り始めたのは、ABUロボコンがまだ現実のものとなるかどうか、わからない頃でした。さまざまな国をまわり、機会があるごとに、学生たちにすばらしい経験の機会を与えるロボコンの意義を訴え、このプロジェクトがアジアの多くの国に広く浸透し、定着することを心から願っていました。それから今日までに2回のABUロボコンが東京とバンコクで開催され、いずれも大盛況を遂げたのは非常に喜ばしいことです。

 たった2度の国際大会開催の間に、各国のロボットはデザイン面、設計面、技術面すべてにおいて目を見張るほどのレベルアップを成し遂げました。学生たちはロボコンに参加し、いろいろな国のロボットを見たり触れたりして多くのことを学ぶともに、「私たちだってあれくらいのことはできるはずだ」という自信が培われ、努力し始めるのだと思います。このようにして得た知識や技術は後輩に引き継がれ、やがてその国全体の技術向上につながっていくのでしょう。

 この'ロボコン効果'は、各国の選抜大会でもはっきりと表れてきています。アジア各国の国内大会を見てきましたが、毎回が新鮮な驚きに満ちています。ロボコンは、学生たちの果てしない向上心とチャレンジ精神に火をつけたようです。そんな彼らの成長ぶりをこれからも見守りたいと思っています。

 これまで目覚しく発展してきたロボコンですが、このイベントを確実に育ててゆくには、参加者がお互いの言葉や習慣や文化の違いを尊重し、絆を深める'国際交流のお祭り'にするよう努力を続けていかなければなりません。

 来年の韓国・ソウル市でのABUロボコンがさらに楽しく、感動に溢れる大会となることを祈っています。

ソウル発「Soul Express」
韓国KBS、ソウル大会事務局 ヒジョン・ソン
オリンピックパーク
 2004年ABUロボコン大会会場となるソウルのオアシス'オリンピックパーク'は、ソウル市南部に位置し、近隣の住民たちは整備された遊歩道や湖のまわりでウォーキングやジョギングなど思い思いのアクティビティを楽しんでいる。
 1988年のソウルオリンピック開催を記念して建てられた公園のメインゲートには、韓国の平和への強い願いが込められている。隣接するショッピングモール、アミューズメントパークなどへのアクセスも良く、コンテスト開催中も後もソウルでの滞在をフルに楽しめるはずだ。ロボコンを通して韓国を訪れるすべての人に活気溢れるソウルシティの躍動感を体感してほしい。
Hero Interview
ロボコンへの長い道のり

チームインストラクター、サロッチ・クラモン先生







第二回ABUロボコンバンコク大会優勝校
スワンデンディン技術専門学校
'ナイホイ・タミン'チーム
 'ナイホイ・タミン'はタイ東北地方の言葉で'無敵のカウボーイ'を意味する。首都バンコクから遠く離れた私たちにとって、ABUロボコンへの道のりは文字通り長いものだった。

 今年の1月、2日間かけて1400キロ離れたABUロボコン高専部門の地方予選大会会場、クラビに辿り着いた。その地方予選で快勝し、6月には2次予選に駒を進めることができたのだが、クラビに比べれば、会場となったバンコクまでの700キロはそれほど遠く感じられなかった。とはいえ、学生たちは、ロボットを積んだトラックの荷台に一緒に乗り込み、大切なロボットがでこぼこ道の衝撃で壊れないようしっかりと支えていた。

 2次予選でも勝利の女神は私たちに微笑んだ。その翌週には大学と高専それぞれの部門で決勝大会があり、大熱戦の結果、'無敵のカウボーイ'たちは憧れだった国際大会への出場権を手にしたのだった。

 このロボコンプロジェクトを通して、参加した学生全員に目覚しい変化が現れた。トライ&エラーを繰り返し、ロボットを作り上げる過程でさまざまな知識が知らずのうちに身についていった。また、仲間どうし力をあわせて問題に取り組めば、必ずなんらかの打開策を見出せることも知ったようだ。

 これからロボコンに参加する学生諸君に言いたい。ロボコンは忍耐力が試される場所だ。
試合の勝ち負けは問題ではなく、どれだけチームの結束を高め、柔軟な発想・創造力を働かせて独創的なロボットをつくりあげられるかどうかを競う、アイデア対決の場なのだ。

 今後のロボコンの更なる発展に期待している。

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