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東京工業大学
大学院理工学研究科
機械制御システム専攻
工学博士 松尾芳樹助教授 |
ABUロボコンの素晴らしいところは、アジア・太平洋地域の大勢の学生たちがひとつのテーマ・ルールのもと、9月のソウル大会を目指してプロジェクトに取り組んでいることだ。この時期、ほとんどの人はそれぞれの国で開催される予選大会に照準を合わせていると思う。ロボコンに出場した経験のあるチームもいると思うが、そうでない大半の人たちにアドバイスと各フェーズにおけるポイントをまとめてみた。
ロボコンでは、準備期間をいかに有効に使うかつまり時間配分が鍵となる。まずは大会までに残された期間を4つのフェーズに大別してみよう。(下図参照)
第1フェーズ: 20%
デザイン決定、各機能の試作
第2フェーズ: 30%
サブシステム構築、パーツ製作
第3フェーズ: 30%
トータルシステムとしてのマシンのテスト、ならびに改良
第4フェーズ: 20%
オペレーター、ピットクルーのトレーニング |
右の図に示した各フェーズのパーセンテージはあくまで参考数値だ。ここでの注意点は、第2フェーズに時間を費やしすぎないこと、第3、第4フェーズの重要性とその時間配分を過小評価しないことだ。また、それぞれのフェーズにトラブルシューティングの時間を見込んでおくこともお忘れなく。
各フェーズの時間配分は、プロジェクトの進行に合わせて随時調整して構わない。
もうこの期間を過ぎてしまったチームもいるとは思うが、第1フェーズのキーポイントはマシンの基本コンセプトとデザインを決定することだ。木型や紙を使って入念に試作すればさらに感触がつかめるはずだ。また、マシンには操作上の工夫やオペレーターとの調整も要求される。とはいえ、ロボコンのマシンは工業製品でもないし、プロの仕事でもないわけだから、製作に取り掛かる前には曖昧な点がいくつもあるだろう。マシンの製作過程で突き詰めていかなければならない点を明確にして、チームメンバー全員が認識することが大切だ。
先に述べたとおり、ロボコンのスケジュールはかなりタイトだ。初心者の多くが、第2フェーズ、つまり部品製作に時間を費やしすぎてしまう。マシン本体に電子部品を溶接したり、メカニズムを組み立てたり、プログラムを書きあげたことイコール正確に機能するサブシステムの完成、とはいかない。それぞれのサブシステムが実用レベルに達するまでには、パーツの製作や組み立てに要する時間と同じくらい、もしくはそれ以上の時間がテストや不具合の調整に必要になることを念頭に入れてほしい。だが、マシンのベースとなる機能部分のデザインをシンプルにすることで、「時間との戦い」的危機は回避できるはずだ。
各サブシステムが完成したからといって、マシンとして仕上がったことにはならい。マシンをひとつの統合されたシステムとしてテストと改良を繰り返すことが、マシンのレベルアップにおいて重要かつ不可欠である。できるだけ早い段階でマシンを作り上げ、この第3フェーズ、テストと改良にしっかりと時間を割くのが理想的だ。コンテスト中に起こりうるあらゆる場面を想像しながら各ファンクションの改良点をさがしていく。必要に応じてメカニズムを一部修正したり、プログラムを変更して、時間の許す限りマシンのパフォーマンス性を高めていこう。
コンテストでフルに実力を発揮できるかどうかは、マシンとそれをつくったメンバーとの絶妙な連携にかかっている。第4フェーズでは、オペレーターが十分練習をかさね、人為的ミスをなくす事に集中したい。オペレーターの操作が未熟だと手動ロボットは赤ん坊と一緒で歩くことも話すこともままならない。ロボコンに出場するマシンのコンセプトは、「ワン&オンリー」かつ「独創的でユニーク」。すべてにおいて完璧である必要はない。コンテストで人為的ミスをおかさないためには、あらかじめ競技の‘流れ’を頭にいれてリハーサルを重ね、スタートやリトライ時の注意点をメモにとっておくことが効果的である。
最後に伝えたいのは、コンテストに向けた準備期間、ロボット製作の過程を思い切り楽しんでほしいということだ。‘コンテスト’だけにどのチームも目ざすは「優勝」だ。しかしここで覚えておいてほしいのは、ロボコンが創造力に富んだ‘アイデア対決’であることだ。勝負の勝敗ばかりにこだわってほしくない。 フィールドではそれぞれのチームが独創的なアイデアを絞って素晴らしいパフォーマンスを見せること、そして何より出場する君たち自身が思い切り楽しむことを願っている。
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年に一度だけ逢瀬を許された七夕伝説の織姫と彦星。今年は7月7日を待たずに再会を果たした。
バンコクから北部へ400km、カンペンペット県の室内スタジアムで行われた「ロボットコンテスト・タイチャンピオンシップ2004 高専部門」の会場で、学生たちは「カササギの橋」を完成させ、彦星に見立てた自動マシンが「織姫の手」にゴールデンギフトを置き、「リユニオン(再会)」を達成させた。
ソウル大会のテーマで世界に先駆けてコンテストを開催したタイ。高専部門の予選大会は1月20−24日までの5日間、全国5地区の
63高専から68チームが参加して開催された。
大会は連日1000人を超す観客が詰め掛ける盛況ぶり。スタートと同時に青・赤各チームの手動マシンが「手動マシン共通ゾーン」にある「橋パーツ」めがけて一斉に飛び出し、「カササギの橋」を完成させて、相手チームより早く「リユニオン」を達成させる。
3kgの「ゴールデンギフト」の重さに耐えるマシンの設計は容易ではないだろうと思っていた。しかし、そんな私の予想を見事に裏切って自動マシンは軽々とギフトを持ち上げ、完成した橋を渡って次々と「織姫の手」に向かっていく。中には50秒でリユニオンを達成するチームもいた。
結果的として5地区から2チームずつ、合計10チームが6月に開催される決勝戦に駒を進めた。
この大会での経験を胸に刻んだ学生たちは学校の作業室に戻って弱点の強化やマシンの改良、技術や戦略の向上に再び励む。6月の決勝大会はそんな彼らの成果が花開くときだ。
タイでのABU代表選考会(大学部門)の予選は3月末に予定されている。ソウル大会への出場チームが決まるのは6月だ。 |
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タイMCOTプロデューサー
ワラポール・プットジョイ
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